『狭い世界観が多少残念。だがそれを越えるキャラの魅力。』
映画・アニメ化されてヒットした作品。
色々と綻びや穴はあるけれど、作品自体は確かに面白い。

メジャーデビューを夢見て上京したナナと恋人を追いかけて上京した奈々二人のNANAを中心にした物語。
友情というよりも、レズビアン的な依存度の強い感情（愛情）を抱いた二人の友情やすれ違い、それぞれの恋愛、バンドのメジャーデビューと波乱に飛んだ運命が二人を翻弄する。

この作品はナナの愛用するブランド、ヴィヴィアン等の潜材として企業に利用（バックアップ）されているという一面もあるようだが、作品単体としてもそれなりに面白い。
ただ、「世界が狭いなぁ」という感想を禁じえない。

せっかくバンド（芸能界）という世界を舞台にしているのに、そちら方面の世界が殆ど描写されず、主人公たちの恋愛もブラストとトラネスという同郷出身のバンド内でのみ描かれる。
（あまつさえトラネスとブラストのメンバー同士がそれぞれ恋愛関係に陥るという世界の狭さには多少がっくりさせられる）

物語の主軸はどうやらナナと奈々の友情とそれぞれの恋愛の行く末にあるようで、バンド云々の世界はスパイスに過ぎないようだ。
それでもやはり「NANA」を面白いと思うのは主人公たちが魅力的だからだろうか？